【2002年5月】冷蔵庫のはなし/結婚式余話 その3 式と祝儀
春さんのひとりごと
そもそもベトナム人は前もって2・3日分の食材を余分に買って冷蔵庫に入れておいて、必要な時、それを取り出して料理するということをしない、好きでない国民のようで、いつもその日の新鮮な食材はその日に買い、その日に使い切るという考えのようです。
それで家にたとえ冷蔵庫はあっても、中に入っているのは水や氷やジュース位で食材は入っていません。聞くところによるとタイ人も同じのようですが…東南アジアの人たちは似たような風習みたいです。彼らは食べ物を冷蔵庫に入れると不味くなると言います。
我々はそれに慣れてしまっているせいかあまりそうは思いませんが、それに気づかない我々が味覚に鈍感なんでしょうね。 まあこれも歩いてすぐ近くの所に、いつも市場が毎日開いているからなんでしょうが…
日本では「能登の朝市」といって「朝の市場」自体が観光名所になっていますが、それだけ市場というのは非日常なものなんでしょうね。
ところで日本ですが平成10年度の厚生省「国民栄養調査」によると、一人当たり1日に食べた食料は1979キロカロリーで、農林水産省「食料受給表」によると国民一人当たりの1日に供給される食糧は2570キロカロリー。この差額の591キロカロリーが食べられずに捨てられてしまった食品ということになるのだそうです。供給されるカロリーの1/5が毎日捨てられているのです。大きな原因が冷蔵庫にあることに間違いはありません。
冷蔵庫の使い方、考えてみる必要がありそうです。
<結婚式余話>その3
■ 当日の式について
これはまだ始まっていないので、今まで参加した経験から言うと、日本のような2人の過去の写真を映したり、スライドを出して説明したり、2人のどうでもいいような経歴を話したり、来賓のゲストの長々とした美辞麗句の挨拶はない。その点は大変アッサリとしている。お客が式の中で歌うこともないことはないが少ない。代わりにプロの歌手とバンドを雇うことがある。一人の歌手が3~4曲歌って交代し、次の会場へ向かうようである。今回の私の場合も3人の歌手を雇うことになった。私はいなくてもいいと言ったが彼女は歌手が先に歌う雰囲気があるとお客さんも歌いやすいからだという。それは分かるが3人もいるのかなという気がするが、一人の歌手はそんなに長く歌わないのだという。
■ 祝儀について
祝儀は普通200,000ドン(約2,000円)くらいらしい。もちろんその額は相手との関係の深さにより変わってくる。その祝儀の渡し方だが日本と同じように受け付けで渡す方法(サイゴンはこれが一般的)と新郎・新婦がテーブルを回るときに回収するやりかたがある。田舎は後者のほうが多いという。受け付けで渡す時は、招待状の入っていた封筒に(自分の名前が書いてある)祝儀を入れて渡す。テーブルを回る場合のケースは、新郎・新婦の後ろに一人誰か親族の人が控えていて、お客さんが出した祝儀をその人がハンドバッグにすぐ放りこんで行く。
だんだんとハンドバッグが膨らんでいくにつれ新郎・新婦の顔も笑顔が多くなる(ということもないか)。ましかし実際に見ると、かなりなまなましい光景ではある。祝儀の受けつけを誰か別の人に任せるのが不安だから、このようになるのだろうか。たまたま新郎・新婦がテーブルを回ってきた時、トイレに入っていて渡しそこねるということはないのだろうか。そもそも受け付けにはサインを書くことはあるが、これはゴチャゴチャ入り乱れて書いてあり、誰が来たか、来なかったかは明確には分からない。日本のように参加者氏名をあとでチェックしやすいように奉賀帳に書くようなことも無いし、そういうところはあまり気にしないらしい。
というわけで、結婚式余話もこれにておひらきでございます。ベトナムでの結婚式の様子、イメージいただけましたでしょうか。