【2002年11月】パパになった春さん/フーンさんのニッポン日記⑥春さんの故郷・熊本へ
春さんのひとりごと
おめでとう、春さんがとうとうパパになりました!
今日11月4日(月)、夜中の1時40分に無事、女の子が産まれました。2,800gでした。今見て来ました。母子とも元気です。
いよいよ私もパパになったのですね~。
(いよいよ春さんもベトナムで1児のパパに-よかったですね、おめでとう)
病院から昨日退院して、今は家にいます。体調がまだ完全ではないので、奥さんの母親が身の回りの世話をしてくれています。
「みどり子」とは良く言ったもので、赤ちゃんというのは本当に小さな、愛らしい顔・手・体・足・声をしていますね。抱き上げれば壊れそうなくらいの存在ですが、この子がいずれ大きく大きくなって行くのですね・・・。感無量です。
奥さんやみんながいる部屋の中でじっと見ていると、奇妙な感じに襲われて、外に出て一人で中庭に行き、そこに生えていた黄色い花を眺めていたら、涙が出て来ました。
私が自分で子供を産んで初めて、親と自分の繋がるその存在の重さ・自分を今まで育ててきたくれたことの大変さ、そして我が子までにも流れている親の愛の深さ・有り難さに今こころの底から思い至りました。
フーンさんのニッポン日記⑥
<2002年3月10日(日)>春さんの故郷・熊本へ
■ようやく春さんの田舎へ。でもここはベトナムより田舎…■
ここから春さんの家まで、車で10時間くらいもかかるそうだって。途中食事や休憩をして、夜の7時過ぎに春さんの家に着いた。車の中にずっといると、背中が痛くて疲れたのでホットした。
でもここは何なの?夜なので外が見えないけど、山の中だというのは私にも分かる。でも明かりが回りには何も無く、真っ暗じゃない。明るいのは月の光くらい。これではベトナムのサイゴンのほうが大都会だわ。こんなところで春さんは暮らしていたの?信じられない。イノシシが出て来るというのも本当かもしれない。
着いたらすぐ、春さんのお父さんとお母さんが迎えてくれた。私はゆっくりと「オトサン・オカサン・オヒサシブリデス・オゲンキデスカ?」と言ったら、二人とも笑っていた。
春さんの家は、私のベトナムの家より何倍も広い。近くには家も見えず静かだけど、何の音も聞こえないので寂しい。そして犬が三匹もいた。着いた時は大きな声で吠えて怖かった。
夕食はみんなで一緒に食べた。天ぷらや寿司などがあった。ここで私は初めて、「バサシ」という名前のサシミを食べた。ベトナムで食べたサシミのイヤな思い出があるので、あまり食べたくなかったけどみんなが「美味しいよ、このバサシは。」と言うので食べた。そしたら本当に大変美味しかった。これは好きになれそう。このバサシというのは熊本の特産だそうだ。でも何のサシミなんだろう?
あと春さんのために、親戚の人が海から獲って来たと言って妙な小さい、灰色の生き物がバケツにいっぱい入っていた。「これはなあ~に?」と、春さんに聞くと「イソギンチャクだよ。」と答えた。なんかヌルヌルして気持ち悪そう。春さんはこれが大好物だそうで、いつも田舎に帰るとこれを食べるのだそうだ。ベトナムでもあまり人が食べないものを食べるけど、日本でもそうだったんだ。
「これは本当に美味しいんだよ!明日味噌汁に入れて作ってあげるから食べてごらん。」とニコニコして春さんが言うけど、イイ。そんな気持ちの悪いのは食べたくない。ネズミのほうがまだ美味しいわ。この日はずいぶん疲れたから早く寝ようっと。明日からあちこちと移動しなくていいから安心した。
<2002年3月11日(月)>
■家の近くを散歩。フキを採りに行く■
朝起きて外に出た。昨日は暗くて回りの景色が見えなかったけど、今日は良く見える。後ろには小さい山があり、その山には木がいっぱい生えていて、本当に田舎だわ。でも静かで、緑が多くて、きれいだ。午後からお父さんが、自分で作っているミカン山に行く。小さい、小高い山にミカンの木がいっぱい植えてあって、お父さんがそこに一人でいた。
私はその山の斜面に生えている、フキという野菜を採って、それを家に持って帰った。それとクレソンという野菜も、池の中にいっぱい生えていたのでそれも摘んだ。フキはお母さんが料理してくれたが、美味しかった。
次回は春さんの友達に会いに、大牟田へ行く-です。お楽しみに。