【2002年12月】我が子の生誕1ヶ月/フーンさんのニッポン日記⑦大牟田への旅

春さんのひとりごと

12月に入りましたが、日本はさぞ寒い頃でしょうね。こちらは今も毎日暑いです。ようやく赤ちゃんも生まれて一ヶ月を迎えることが出来ました。母子とも元気そのものです。暑い国にいるせいか赤ちゃんも今のところ風邪は引きません。

12月1日の日曜日にレストランで家族や近所の人と知人を招いて、生誕一ヶ月目の夕食会をしました。さらにまたその翌日の2日には、実家で家族だけのお祝いをしました。男の子の場合は一ヶ月目に当たる日の1日前に、女の子の場合は2日前に、家でのお祝いをするのがシキタリということです。「これから家族の一員として、みなさん宜しくお願いしま~す」という慣わしらしいです。隣り近所にはオレンジ色のオコワを配って、家々に両親が挨拶に行きます。

日本でいう赤飯を炊いて祝うのと同じ風習のようです。家族のみんなからは、赤ちゃんに小さい指輪や、小さいネツクレスやイヤリングや腕輪などをプレゼントされました。イヤリングは生まれてすぐに病院にいる時に耳に穴を空けて、2週間ほど経つとこちらではもう付けるみたいです。

家に帰ってからは一階に木で出来たベッドを置き、その下に炭を熾こした真っ赤に燃えた七厘を据えて、一時間ほどは背中や腰や腹を温めていました。ベトナム女性は、産後には一ヶ月ほど毎日これを続けていくといい、こうしないと後で体が痛くなったりするそうです。さらに一ヶ月間はシャワーも浴びずに我慢し(体が冷えるからという理由で)、これまた日本では見たことが無いような面白いやりかたをして、体調回復に努めています。

まず、大きい鍋に熱湯を入れてその中に色んな種類の葉を投げ込んで、鍋の中のお湯が茶色に染まるまでグラグラに煮ていきます。お湯が茶色になったら、それを足元に置いて鍋を包むようにして、外に熱を逃がさないように毛布を頭から被り、鍋の中の熱湯をかき混ぜながら汗をかいていました。汗で体の中の老廃物を外に出すためにこうするみたいです。風邪を引いた時なども市販の風邪薬を使わずして、この方法で見事に風邪を直していますので、案外効果があるようです。

まあ一種のサウナのようなやりかたですが、終った後の床を見ると多量の汗のシズクが溜まっています。しかしシャワーを浴びない日が2週間も続くとさすがに気持悪くなって来たのか、2週目に一回だけ軽くシャワーを浴びました。しかしベトナムの女性は、産後は普通みんな一ヶ月間はシャワーを浴びたりしないそうです。

更にはショウガの根と同じ形をした、中が黄色い根をすり潰して粉にして、それに水を混ぜて黄色い液体を作り、顔や足や体全体になすり付けています。これは産後の肌がキレイになるようにするみたいです。体に塗った後は全身が真っ黄色になっています。この液体はすぐにはなかなか落ちないし、シャワーも浴びていない状態なので、赤ちゃんまでも黄色くなりそうです。

また体に塗るだけではなく、この根をすり潰した粉を、サジで掬ってそのまま飲んでいます。私も少し舐めてみましたが、苦くて苦くて飲めたものではありません。また食べ物もカラスの子供のような、黒いニワトリが入ったスープを美味しそうに飲んでいます。スープもニワトリも真っ黒ですが、これは案外美味しいものです。いろいろ日本とは少し違うようですが、こういうのがこちらの産後の養生の仕方みたいです。まあどんな方法を試そうと、ただ元気に育ってくれればそれでいいのですが。

赤ちゃんが生まれた時には、みなさんからはお祝いのメールを頂き有り難うございました。今年も残り少なくなりましたが、みなさま良いお年をお迎え下さい。そしてやがて来る新しい年が、世界中にいる赤ちゃんにとって平和な良い年でありますように・・・。

フーンさんのニッポン日記⑦

<2002年3月12日(火)>春さんの友達に会いに、大牟田へ行く

■自分で切符を買う■

今日は春さんが友達に会いに行くというので、私も一緒に行く。駅に切符の自動販売機があるので、今日は私が自分でお金を入れて、一人で切符を買って見る。お金を入れて、ボタンを押してみた。切符がちゃんと出て来た。すごいなー。ベトナムにもこういうのがあれば、みんな窓口に並ばなくてもいいのにな。ベトナムではきちんと並ばないで、順番なんて全然関係ないからよけい混雑する。

ジュースの自動販売機も最初見た時は、いろんな種類のジュースが並んでいるのにどうやって自分の好きなものを選べるのか不思議だったけど、自分の好きなのをボタンで選んで押せば、希望のジュースが落ちてきたのには感心したわ。日本人は本当にこういうのを上手く創るなあと思う。

大牟田には5時くらいに着いた。ここで自動改札機を初めて見た。切符をどうして入れるのかも良く分からなかった。でも前の人がしているのを見て同じようにしたら通過できた。(でも帰りは失敗した。切符を入れて通過した後、切符を取るのを知らなくて構内に入り、そのまま列車に乗ってしまった)。

春さんの友達はTさんという名前で、春さんより少し年上かな?年齢は聞かなかったけど。私のお父さんと同じくらいに見えた。印象もいつもニコニコ笑って、本当にベトナムにいる私のお父さんを思い出した。

夕食を一緒に摂ることにして、料理屋さんに行く。日本料理が出て来たけど、私はあまり食べれなかった。2人は大きな声で、楽しそうに話していた。でも2人でいっぱいお酒を飲んでたけど、あんなに飲んで大丈夫かしら…。

<2002年3月14日(木)>ラーメンを食べに行く

■日本で食べたラーメンは美味しかった!■

近頃は朝起きたら、犬と散歩をするようになった。それで家の回りの道は少しずつ覚えてきた。でも日本に来て、こんな田舎で毎日犬と散歩だけというのもつまらない!

今日は春さんがラーメンを食べに行くというので、私も付いて行くことにした。ベトナムにも日本のラーメン屋さんがあり、一回春さんと入ったけど、あまり美味しくなかった。春さんもそこのは日本で食べるのと違うと言ってた。

春さんの田舎にあるラーメン屋さんは、有名なラーメン屋さんだそうだ。でも着いたそこは小さな造りの店で、有名なお店のような感じはしなかった。出て来たラーメンは、確かにベトナムで食べたのとは違って美味しかった。
特にスープが美味しくて、最後まで飲んでしまった。こういうのをベトナムでも作れば売れるだろうにな。でも楽しい所と言えばラーメン屋さんくらいしかないの?

-というわけで次回は熊本市内までお買い物、たのしいところ見つかったかな?次回もお楽しみに!

Posted by aozaiVN